プロジェクトマネージャにも、実務経験者もいれば、マネジメントを主に従事してきた人もいることでしょう。スケジュール作成にその違いが出てくるのはやむを得ないかもしれません。実務経験者はどちらかと言えばボトムアップ的思考が強いかもしれません。逆にマネジメント経験者は、トップダウン傾向が強く、要所要所で期限を満たすため無理を承知で予定におさめることを優先しがちかもしれません。いずれも現実的なスケジュール作成には偏りがあるため、どこかで不具合が生じてしまうものです。現実的かつ発注者の要求も満たすようなスケジュール作成とするためには、どちらにも偏らない両者勘案した作成が求められます。無理を常態化せず、確保しなければいけない日程を満足しないとわかった場合は、知恵を絞った対処案を、という随所に工夫を凝らしたスケジュール作りが理想と言えるのではないでしょうか。
日常業務を勘案したスケジュール作り
現実的かつ精度の高いスケジュール作りは、詳細設計の重要な作業と言ってもいいでしょう。発注者の与件となる予算と納期の確保がここで初めて現実味を帯びてきます。先に概算見積もりや大まかなスケジュールは提示されてはいても、詳細検討で発見される見落としなどもあるでしょう。そのために詳細スケジュール作成は、ボトムアップとトップダウンの両面から検討する必要が求められます。そこで参考となるのが、日々の詳細な作業項目見直しです。日々の作業と言っても、朝礼に始まり、週末の部内会議など直接作業にはかかれないけれど、報告・連絡・相談には欠かせない時間も無視できません。たとえ三十分でも毎日行うとなれば、それなりの時間がとられるのも事実。これら当然の如く見積もり、スケジュールに反映させておくことで初めて現実的かつ精度の高いスケジュールが作成されるということになります。
メンバーを巻き込んだスケジュール作り
Web制作などの詳細スケジュール作成は、プロジェクトマネージャにとって腕の見せどころでもあり、詳細設計の中で非常に重要な作業と言えるのではないでしょうか。工数積み上げは、実績などからある程度予測できるものであり、各工程での決められたタスクも想定内と言えるでしょう。とはいえ日々、週単位、月単位でのタスクの洗い出しや再確認を怠ってはいけません。問題はその後で、積み上げでうまく納期に間に合うようならいいのですが、そうならない時にどうするか、というのが経験がものをいうと言えそうです。思いあぐねたら関係者に相談してみるのもいいかもしれません。良い提案が出なくても、プロマネがどこで思案しているかを周知させる効果はありそうです。常にメンバーを巻き込んで計画を立てていくのもプロマネの腕の見せ所なのかもしれません。