プロジェクトマネジメントにとって、コミュニケーションは重要なものと位置付けられ、管理の骨子となる計画書も細部にわたると言われています。たとえば計画書の必要項目一つ見ても、連絡窓口となる担当者やその連絡先から、コミュニケーションの内容種別でその連絡手段が区分けされ、メールではメーリングリストの利用ルールや種別とそこに含める関係者からその変更となる追加や削除といった取り決めも含まれ、さらにメール件名のつけ方から添付資料がある場合のデータ容量(大容量となる場合の外部サーバの利用基準など)が挙げられます。さらに対面でのコミュニケーションとなる各種打ち合わせや会議などの出席メンバー選定基準から種別の追加や削除なども含まれるでしょう。そして計画書自体の改版基準からその配布先なども情報共有には欠かせない要素となってきます。
コミュニケーション管理が成功のカギ
プロジェクトマネジメントではコミュニケーションをいかに適切に管理していくかということは重要な課題とされています。そこでPMBOKでも計画書を作成し、適切な管理をするよううたわれています。具体的には、手段となるメールや会議などでの関係者の範囲の明確化、その改変についてもきちんとルール化しておくことが重要とされています。さらにその実施頻度を予想しておくとともに、それぞれの受発信者の明確化から使用される用語の統一ルールなども規定しておくことが大切とされています。また、関係するドキュメント類も計画書に始まり、ステークホルダともなる人達のリスト、課題などの改版履歴や各種報告者など多岐にわたっています。これらを適切に使用して管理していくことが最終的にそのプロジェクトの成功につながるとされています。
コミュニケーションで作業性アップ

コミュニケーションを円滑に進めていくために決めた取り決めに煩わしさを感じてしまう人もいるかもしれません。しかしなぜそのようなことをしなければいけないか考えるとその重要性を再認識することでしょう。その目的として挙げられるのが、一つには作業を効率的に進めていくことであり、混乱を最小限に抑え込むや、各担当者が与えられた作業にストレスなく集中できるようするため、などが挙げられます。言ってみれば、円滑なコミュニケーション計画の履行は、作業者のストレスを極力減らし作業環境を最大限整えていくことに尽きるのであって、決して作業者の抑圧を目的にしているのではない、ということを理解してもらえれば、面倒という印象は薄らいでいくのではないでしょうか。
コミュニケーションで個人差をなくす
プロジェクトの遂行にあたっては、なんといっても作業性の効率化が求められます。人それぞれ個人差があり、これをよく言えば個性と言えなくもありませんが、複数のメンバーが輻輳して行う仕事では、コミュニケーションの得手不得手に反映されてきてしまいます。コミュニケーションはそのような個々のばらつきを極力減らし、問題を素早く見つけ解決していく良き手立てとなっていくものなのです。しかもある時からいきなりできることではなく、日々各自が円滑化を意識しつつ取り組んでいくことで初めて効果が発揮されるものと言ってもいいでしょう。コミュニケーションには必ず相手があるため、感情がどうしても入ってきてしまうものです。そこでルール化することでばらつきをなくし、感情移入を極力減らし目的達成していくものと言っていいのかもしれません。