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プロジェクト憲章発行がゴーサイン

Byadmin

10月 17, 2022
プロジェクト憲章発行がゴーサイン

PMBOKでうたわれているプロジェクトマネジメントは、計画と管理という双極で構成され、その一つである計画を担うプロセスを体系的にまとめたものを計画プロセス群と定義しています。よく使われるプロジェクト計画書もそのものずばりの名称となる単一文書があるわけではなく、計画プロセス群に含まれる各文書の総称というわけです。この計画プロセス群には、前段となる立ち上げプロセス群と言われるものも存在し、そこに含まれるプロジェクト憲章の発行をもってプロジェクトの開始とされています。以降は発注者との合意のもと制作者が作成するプロジェクトスコープ記述書の暫定となる文書が決められていきます。具体的には、クライアントの要求事項、プロジェクトの目的や成果物、概要となるスケジュールや予算その他進めて行くうえで必要となる諸条件などが挙げられます。

計画プロセス群とWeb制作文書の対比

Web制作のプロジェクトマネジメントで引き合いに出されるPMBOKでうたわれている計画プロセス群に20ものプロセスが挙げられるいます。主なものをWeb制作などで作成される文書と対比しつつご紹介していきましょう。以下PMBOK上でプロジェクト「エリア」マネジメントと言われる「エリア」部分のみ紹介します。最初に統合では、要件定義書該当部分や変更ルール。次にスコープではWBSやファイルリストなど。以下、タイムではWBSや詳細スケジュールとその更新ルールなど。コストは、制作者側の単価表や発注者へ提示済みの概算など。品質は、両者の制作ガイドラインや法規など。人的資質では、提案依頼書で提示されたメンバー表など。コミュニケーションは、メールなどのルール。リスクは、見積もりなどで示されたリスク項目など。最後の調達では、契約書その他機器はじめ必要とする物品等の見積や請求書などとなります。

責任分担マトリックスの有効活用

責任分担マトリックスの有効活用

Web制作などで人的資源マネジメントについて行われる主たる作業は、たずさわるメンバー決めとそのチーム編成で、特にステークホルダーという存在を考えた体制作りが重要です。いずれも初期段階に行われる作業で、既にスコープや予算は明確になっており、当プロジェクトの成果物などに大きく寄与する各テークホルダーの責任と役割を明確にしておくことは重要とされるゆえんです。このとき有効なツールとされるのがRACI(責任分担マトリックス)。RACIを作成することにより連絡体制の確認ができ、さらに各ポイントでの必要となるスキルやリソースのチェックをも可能と言われています。ちなみに名称のRACIは実行責任者(R)説明責任者(A)協業先(C)報告先(I)を示し、各ステークホルダーがどのプロセスでRACIのいずれになるかを示したものとなります。

リスクマネジメントに有効な特性要因図

Web制作などのリスクマネジメントで、プロジェクトマネージャーの強い味方となるツールに特性要因図があります。魚の骨を模したような図に特性となる検討課題等を示し、この特性に対し考慮すべき要因の抽出と各要因間の因果関係などを図式化していくことでリスクとなりそうな要因が一目で把握できるようにしたものです。作成の手順は、最初に検討すべきリスクを記載し、そこへ向かう背骨となるメインルートを矢印とともにリスクに向け記載。次に主たるリスク要因となりそうな項目を、背骨に向けた大骨として書き出していきます。そのうえで各大骨に関係しそうなリスク要因を考えそれぞれ大骨に向け書き出していくことで、課題とするリスクに対し想定される要因とその因果関係の図式化で一目瞭然となるもの。ある程度まとまった段階で、各要因の優先順位なども反映させていくと一層有効な図へと進化していくことでしょう。