Web制作の詳細見積もりには欠かせないWBS(Work Breakdown Structure:作業分解図とも訳される)の作成には、どのような作業が必要か、どのくらいの工数が必要か等々関連作業に熟知していることが前提です。そのため作成はプロジェックマネージャレベルの人があたるのが一般的です。ここで作成にあたって留意すべき点など考えてみましょう。まず、考えられる作業すべての抽出。ここで必要な作業を漏らすと後々致命的となりかねません。かといって、最初から完璧をめざすのも賢明ではありません。基本は、大項目を抑えた後に詳細項目へと進んでいくのが常道です。従来から使用されているテンプレートがあっても盲信せず、常に疑問の目をもって進めて行くぐらいの注意深さも必要かもしれません。
見積もり作成後の関係者レビューが大切
Web制作プロジェクトで必要となる見積もり作成。その有力なツールと言われるのが作業分解図と言われるWBS(Work Breakdown Structure)。作成にあたっては全体の流れをある程度つかんだうえ進めていくことが求められます。ここでおさえておくべきポイントを挙げてみましょう。まずはそのプロジェクトで必要と考えられる作業の洗い出し。最初は大まかに、そして細部へという流れが無駄のない、効率的な手順でしょう、必要なことは、抽出作業の漏れが無いことと必要工数がある程度把握できること。不安なところや疑問となる点は早めに関係者に確認しておきましょう。それでも解消できない場合、その旨必ず記録を残しておくのがポイント。完成後必ずレビューにかけること。メンバーは初心者からベテランまで幅広く、さらに試験担当を加えるとより一層精度ある見積もりとなることでしょう。
独りよがりな見積もりはいずれ破綻

プロジェクトの見積もり作成は、全体の流れや各想定される作業に熟知していることが求められます。作成に際し重要となる要素が、リソースとなる「ヒト」であり、納期にも影響される各作業の工数含めた「スケジュール」。ヒトについては担当する人のスキルにも影響され、また他の案件との兼ね合いも考慮する必要があり、このような細部については各担当の上司との密な打ち合わせも必要でしょう。時間に関わる工数や日程については更にいろいろな要素が絡んできます。設備の取り合いもプロジェクトが並行して進められる場合には要注意。工数が足りないと思われれば外部への委託も選択肢に加えておきましょう。その場合仕様書作成や進み具合チェックなど内部作業にはない追加も忘れないようにしましょう。そのほか経験上必要とみられる要素なども含め、極力関係者を巻き込んだ作成を心がけておいた方が間違いなさそうです。
見積もりは発注者との認識合わせも重要
プロジェクトの見積もり作成において、気をつけておきたいのが、発注者との認識のズレ。これは物事を依頼側では依頼範囲を大きく考えがちなのに対して、依頼を受ける側は逆に狭く限定的に考えることに起因とよく言われます。このような立場に起因したズレもあれば、「言った」「聞いてない」といった口頭で済ませてしまったことによる記憶違いから、定義されている単位などの双方の思い違い、と挙げると枚挙にいとまがありません。さらに、これらをないがしろにしておくと、最終的に発注者という立場から追加を受け入れざるを得なくなるという覚悟をもって、内部での情報共有で防止しておきたいところです。どうしても埒が明かなくなった時は、発注者と協議のうえ見積もりの追加等手を打っておかないと、最終的に制作者側で吸収しなければいけなくなることを認識してあたっていく必要があります。